1周まわって、好きかもしれない。



結局、家にたどり着いた頃には2人ともかなり疲れていた。



「うちの子が本当にすみません!
ありがとうございます…!」



なんて、お母さんにたくさんお礼を言われて、この疲れはチャラだ。


「はー、思いがけない旅だった…」


んー、と伸びをしながら凛子がつぶやく。


「そうだな…あの子、クレープもアイスも食って大丈夫なのかな…」



胸焼けしそう、なんて。




「まあ、家に帰れてよかった」



珍しく優しい顔をして笑っている凛子。




「…いつもそうしてればいいのに」


「え?」


思わず口に出てしまった本音を、なんでもない、とごまかす。



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