1周まわって、好きかもしれない。



…て、いうか。


なんで2人で放課後残って喋ってるわけ?

なに、もうそういう関係なの?


河谷さんが転校して来て1ヶ月も経ってないのに、早くない?

…とか、私が言えることではないか。




なぜだかイライラしてしまう自分に首を傾げながら、教科室に向かう。

恭介なんかに構ってる場合じゃない。





「ほら、貸して」




突然、人影が隣に並んで、差し出された手。

驚いて見上げれば、無駄に整った顔。恭介。




「え、なんで…」


「重そうだから手伝ってやろうかと思って」




ひょい、と軽々私の手元のノートを取り上げた恭介に、ドキッとするほど私はチョロくないから。してないから。




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