1周まわって、好きかもしれない。



机に座っちゃうところはちょっと嫌だし、すっごく遊んでそうだけど……


今彼氏いないし、ザッキーの顔はかなりタイプだ。




「いいよ、付き合お」




にっこり笑ってもう一度飴を口に含む。



「え、いいの?やった」


ニッと歯を見せて笑う顔が、かわいい。

うん、今度こそ好きになれるかもしれない。




「えー、付き合えるなら俺も告ればよかった…」


その横でヘコむのは、雄太。



「ごめん、雄太はタイプじゃないや」



アッサリ断れば、さらに深く落ち込んでいる。

ごめんね。だって雄太、ヘタレなんだもん。




「じゃあ一緒に帰ろうよ。凛子ちゃん」




そう言って手を差し出してくれるザッキーに、ごめん、と断る。




「私、いま穂果待ってるから」



「え…」


「ごめんね、明日一緒に帰ろ?」



少し不満げだったザッキーも、私が上目遣いで見上げれば頬を赤くする。


「じゃあ明日帰ろうな」

「うん」




< 14 / 293 >

この作品をシェア

pagetop