1周まわって、好きかもしれない。
机に座っちゃうところはちょっと嫌だし、すっごく遊んでそうだけど……
今彼氏いないし、ザッキーの顔はかなりタイプだ。
「いいよ、付き合お」
にっこり笑ってもう一度飴を口に含む。
「え、いいの?やった」
ニッと歯を見せて笑う顔が、かわいい。
うん、今度こそ好きになれるかもしれない。
「えー、付き合えるなら俺も告ればよかった…」
その横でヘコむのは、雄太。
「ごめん、雄太はタイプじゃないや」
アッサリ断れば、さらに深く落ち込んでいる。
ごめんね。だって雄太、ヘタレなんだもん。
「じゃあ一緒に帰ろうよ。凛子ちゃん」
そう言って手を差し出してくれるザッキーに、ごめん、と断る。
「私、いま穂果待ってるから」
「え…」
「ごめんね、明日一緒に帰ろ?」
少し不満げだったザッキーも、私が上目遣いで見上げれば頬を赤くする。
「じゃあ明日帰ろうな」
「うん」