1周まわって、好きかもしれない。
「お待たせ、凛子」
と、教室のドアが開き、そこから顔をのぞかせるのは黒髪ボブのかわいい子。
「穂果!」
急いでバッグをつかんでドアに向かい、みんなに「ばいばーい」と手を振る。
大親友の穂果。
私がありのままで居られるのは、穂果と幼なじみの恭介の前だけだ。
「ねえ、ザッキーと付き合うことになったよ」
もう何度目かわからない「彼氏できた」報告に、穂果は呆れ顔だ。
「前の彼氏と別れたの2日前でしょ?」
「2日も経ったよ?」
はいはい、なんていつものようにあしらわれてしまった。