1周まわって、好きかもしれない。
と、不意に鳴ったケータイの着信音。
ディスプレイには【着信:河谷由莉】の文字。
「もしもし」
『あっ、瀬見くん?急にごめんね』
「いや、どうかした?」
『あの、もしよかったら、なんだけど…
今から、一緒に映画に行きませんか?』
「え…」
突然の、リアルゆりちゃんとデート。
さっきまで画面越しにデートしていたゆりちゃん…に、そっくりな河谷さんと本当にデートだ。
慌てて支度をして家を出て、待ち合わせの駅に向かった。