1周まわって、好きかもしれない。
「俺は、塩派なんだけど」
「うん、じゃあ塩にしよう」
「いいの?」
「私は本当にどっちも好きなの」
にっこり笑う河谷さんは、本当に天使みたいで。
いつも問答無用でキャラメルを頼んで、ほぼ全部自分で食べてしまう凛子は比べたら悪魔みたいで。
だけど河谷さんが優しすぎて、少し落ち着かなかったりして。
結局塩味のポップコーンとコーラを買って、席に着く。
そういえば、凛子以外の女の子と映画に来るなんて初めてだ。
「楽しみだね」
小声で囁く河谷さんに、そうだね、と笑う。