1周まわって、好きかもしれない。
ふーん、とだけ言ってハンバーガーを渡してくる寺田。
「ありがとうございましたー」
全く気持ちの入っていない挨拶をした彼女に、全く気持ちのこもっていない笑顔を返した。
寺田のせいで、友達の少ない学校生活を送ることになってしまったあの時。
まあたしかに、元から私も性格が悪い素質はあったんだと思うけど。
それでもあんなことさえなければ、私だってもうちょっと素直で純粋な子に育っていたかもしれないのに。
なんて、考えれば考えるほどイラついてきて。
でもそんなこと景ちゃんに言えないから、ニコニコしながらハンバーガーを食べた。