1周まわって、好きかもしれない。


暇だから恭介の部屋をぐるりと見回すと、棚の上に置いてあったのは、幼い頃の私たち。


私って小さい頃から美少女だなぁ、なんて思いながらふと写真を手に取ると、なんだか急に寂しくなった。



笑い合っている小さなふたり。

いつまでだってこうやっていられるんだって、私もついこのあいだまで思ってた。


私に彼氏ができても、何も変わらなくて。

デートが失敗した愚痴を恭介にぶつけにきて、ここのドアを開けたらゲームやってる気持ち悪いイケメンがいて。


嫌な顔しながら私の愚痴を聞いてくれて、私は恭介に彼女ができないことをからかって。



それだってなんだかんだ、私は恭介が大事だし恭介だって私が大事で。

それもお互いにわかってるからこそ、ここまで自然体でいられるわけで。




私に理想的な彼氏ができたら。
恭介に彼女ができたら。


変わってしまうなんてこと、考えてなかった。



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