1周まわって、好きかもしれない。



そっか、苦手な人もいるよね。そりゃそうだ。


確かに私も無理やりお化け屋敷なんかに連れていかれたらキレる自信があるし、ジェットコースターはナシ。



少し残念に思いながら、コーヒーカップや脱出ゲームなど、平和なアトラクションを回る。






「そろそろ休憩しようか」




足が疲れてきたなぁ、と思っていたタイミングでカフェを指差す景ちゃんに、驚く。

今までこんな風に私のことわかってくれる人、恭介しかいなかったのに。






空いている席に座って、恭介が「俺買ってくるけど、何がいい?」って景ちゃんと河谷さんに聞く。



「俺、アイスコーヒーで」
「あ、私も行くよ」



「了解、凛子はホットココアだろ?」


「うん、よろしく」



私の好みを知ってる恭介は、いつも通りココアを買いに行ってくれた。

河谷さんもそのあとをついて行く。



2人の後ろ姿を見送りながら、なんだか胸の奥がチクリと痛んだ。


見た目だけは完璧な恭介と、清楚で可愛い河谷さん。

どう見たってお似合いなその姿に、ちょっとイライラしたりもして。



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