1周まわって、好きかもしれない。


「俺買ってくるけど、何がいい?」




なんだかこの場に居たくなくて、みんなの飲み物を買いに立ち上がる。

付いてきてくれた河谷さんは俺の少し後ろを歩く。






「三浦くんと凛子ちゃんって、付き合ってるのかなぁ?」





お似合いだよね、なんてニコニコしながら聞いてくる河谷さん。




「…知らね」





そっけない返事をしてしまってから、はっと我に返る。





「あっ、いや…凛子に彼氏ができるのとかいちいち把握してないから分かんねえ、ってこと」




急にぶっきらぼうになった俺に驚いていた河谷さんが、ごめん、と眉を下げて笑った。




なに、してんだ俺。







一度だけテーブルの方を振り返れば、仲よさそうに話す凛子と三浦。


顔、近すぎるんじゃねえの。


こんなにイライラしたこと、今までなかったのに…。




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