1周まわって、好きかもしれない。



なんでこうやっていつもいつも、裏目に出ちゃうんだろう。





本当は女の子とも仲良くしたい。

本当は悪口だって言われたくない。


たったひとりの好きな人と幸せになりたい。


本当はもっと、人のこと信じて優しくなりたいのに。




どうして私はいつも、こうなってしまうんだろう。



こんな私、本当は、大嫌いー…。







「なんとか言ってよ!」



私がなにも言わないから、女の子の1人が怒鳴った。

きゅっと目を閉じた、瞬間。



ぐいっと手を引かれて、大きな背中が目の前に。


その背中に隠されるようにして、驚いて目を見張る。




「恭介…」


「せ、瀬見くん…!?」




河谷さんたちが驚く声が、聞こえる。





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