1周まわって、好きかもしれない。
ジリジリと暑さを増す太陽に、鳴き始めた蝉たちの声。
まだ夏休みまで1ヶ月近くあるというのに、もうすでに外に出たくないほどの暑さが到来している。
……地球温暖化って深刻な問題だな。
節電とかちゃんとしようかなんて、この季節はいつも思うけど。
「……暑い」
そう言って、俺には何の断りもなくクーラーの温度を1度下げるのは、凛子。
俺の部屋なんだけど、ここ。
なんて言葉は今日も凛子には届かない。
伸びてゆるくなったせいで部屋着に降格したダボっとしたTシャツに、デニムのショートパンツ。
くるくるの暑苦しい髪はポニーテールにしている。
そして容赦なく俺の布団を踏みつけ、ゴロゴロ転がる悪魔。