1周まわって、好きかもしれない。
「…ゲーマーで鈍感な残念イケメン」
「…え、」
「恭介だよ…ばか」
小さな声でそう呟いた瞬間、涙がひとすじ、頬を伝った。
自分でも驚いて、慌てて恭介に背を向ける。
「え、凛…」
「っ、なんでもない!」
そんな風に見たことなかった、て。
そう言われるのが怖くて、勢いで駆け出した。
「おい、待てよ…!」
慌てたように追いかけてくる恭介から逃げるように、空いていた観覧者に駆け込む。