1周まわって、好きかもしれない。
「1名様ですか?」
係員のお姉さんに、はい、と頷こうとすると。
「2名で!」
もう追いついてしまった恭介が乗った瞬間、扉が閉まる。
…最悪だ、ここから15分くらいは逃げられない…。
恭介の返事を聞くのが怖くて。
子供みたいに逃げてしまったことが恥ずかしくて。
私はこんなに振り回されてるのに、なんてことない恭介に切なくて。
止まらない涙を拭っていると、不意に暖かい腕に包まれた。