1周まわって、好きかもしれない。




「……私もやるそれ」


「え…絶対嫌なんだけど」

「やるー」

「嫌だ!」






そんな争いを繰り広げていると、ノックされたドア。

ドアをノックするなんて、この悪魔と違ってすごく礼儀正しい!

誰かと思ってドアを開ければ、そこには爽やかなイケメン。





「おう、恭介。

お母さんに入れてもらった」




そう言って笑うのは、友達の舜。


爽やかな短髪に、部活帰りのジャージ。

白い歯に整った顔立ち。

おまけにサッカー部のエース。



そんな少女漫画のヒーローみたいな舜は、俺がオタクでもバカにせずに、気にしないで一緒にいてくれる。

真のイケメンだ。





「凛子ちゃんも来てたんだ」


「舜くーん」




いつの間にかあぐらをかいていたのを直して、営業スマイルを振りまいている。


この切り替えの早さは、むしろ尊敬だ。




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