1周まわって、好きかもしれない。



同じこと思いながら、同じ景色を見ながら。

好きな人と並んで歩けるなんて、これを幸せと呼ばなかったら何が幸せなんだろう。




「見て、この花綺麗!」



ピンクの小さな花を見つけてしゃがみこむと、同じくしゃがんで花を見る恭介。



「…本当だ」



思ったより近くて、ドキンと心臓が跳ねる。




「…凛子」




不意に呼ばれた名前に、振り返ると。





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