1周まわって、好きかもしれない。



「…そのゲーム楽しいの?」




気にしないように、気にしないようにと気を紛らわせるためにゲーム機のボタンを押していると。


後ろから急に画面を覗き込んでくる凛子から、ふわりとシャンプーのいい匂いがした。





「楽しい、よ」



つい動揺してしまって、恥ずかしくなる。



「ふーん?」


「…なに?」


「せっかく私がいるんだからゲームばっかしないでよ」



驚いて振り返れば、少し頬を赤く染めて拗ねたように唇を尖らせている。

なんだそれ、わざとやってる?



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