1周まわって、好きかもしれない。
「わ、私……帰る!」
バッ、と起き上がって、バタバタと部屋を出て行く凛子。
頬は真っ赤に染まっていた。
凛子が出て行った後のドアを見つめて、猛烈に後悔。
「…なに、してんだ…」
はぁ、とため息をついて頭を抱える。
…怖がらせたらどうしよう。
気持ち悪いって思われたかもしれない。
こんな焦るつもりじゃなかったのに。
上目遣いとか、潤んだ瞳とか。
ふわふわしたいい匂いとか、全部。
ほしいって思ってしまったわけで。