1周まわって、好きかもしれない。
「見たいっす!」
「じゃあ見ましょう♪」
いやいやいや、それなんの罰ゲーム!?
公開処刑もいいとこだ。
そんな俺の訴えも虚しく、パソコンの画面に再生される映像。
「あ"〜…」
少し画質の悪い映像で映し出される、5歳の時の俺と凛子。
『きょうちゃん!』
黒髪で、パーマもかけていない小さな凛子が、ふわりと笑う。
今みたいな毒気のない、可愛い笑顔。
「小さい時から美少女なんだな…」
隣で感心する舜に、かわいいわよねぇ、なんて得意げな母親。
『りんちゃん』
そして隣にいるのは、小さな俺。
俺もまだ黒髪だ。
「可愛いじゃん恭介」
くくっと笑う舜を、睨みつける。
2人で公園を走り回る姿は、微笑ましいけど恥ずかしすぎる。
と、勢いよくつまづいて転んでしまった凛子。