1周まわって、好きかもしれない。



「見たいっす!」

「じゃあ見ましょう♪」



いやいやいや、それなんの罰ゲーム!?

公開処刑もいいとこだ。



そんな俺の訴えも虚しく、パソコンの画面に再生される映像。


「あ"〜…」



少し画質の悪い映像で映し出される、5歳の時の俺と凛子。




『きょうちゃん!』



黒髪で、パーマもかけていない小さな凛子が、ふわりと笑う。

今みたいな毒気のない、可愛い笑顔。



「小さい時から美少女なんだな…」


隣で感心する舜に、かわいいわよねぇ、なんて得意げな母親。




『りんちゃん』



そして隣にいるのは、小さな俺。

俺もまだ黒髪だ。



「可愛いじゃん恭介」


くくっと笑う舜を、睨みつける。




2人で公園を走り回る姿は、微笑ましいけど恥ずかしすぎる。

と、勢いよくつまづいて転んでしまった凛子。





< 30 / 293 >

この作品をシェア

pagetop