1周まわって、好きかもしれない。



『ほんと?

じゃあきょうちゃんと、けっこんする!』



『うん!
大好きだよ、りんちゃん』





画面の中で笑いあうふたり。



消 え た い 。







「くっ……ははっ」



堪え切れない、というように肩を震わす舜と、可愛いわねえと笑う母親。


控えめに言って消えたい。

せめてこの時の俺を殴りに行きたい。



そいつはこの後悪魔に成長するからと、忠告しに行きたい。






「いいじゃん、結婚しろよ」



まだ笑ってる舜に、反論する気すら起きない。



< 32 / 293 >

この作品をシェア

pagetop