1周まわって、好きかもしれない。
『あ、ごめん舜から電話きた』
家に入ってすぐの穂果の言葉に、おやすみの挨拶をして電話を切る。
舜くんと夜、どんな電話するんだろ。
ちょっと気になるから明日聞いてみよう。
……にしても。
「嫌なもの見ちゃったなぁ」
プリンになりかけた金髪につけまつげ、カラコン。
暗闇でもわかるケバさ。
いや、別に世の中の金髪の人を非難してるわけじゃないよ。
ちゃんと似合ってる人もたくさんいるし。
個人的に、あの子が嫌いなだけで。
中学の時の同級生、寺田理沙。
これは私の性格が、ちょっとだけ悪くなる前のはなし。