1周まわって、好きかもしれない。
「ねえ、うざくない?」
「え、誰のこと?」
「決まってるじゃん、綾瀬凛子だよ」
そんな会話を聞いてしまった、中学1年生。2学期の放課後。
忘れ物を取りに来た教室に、クラスの派手なグループの女子が集まって……って、よくあるパターン。
今でこそ少しは慣れてしまったものの、あの時のショックは結構大きかった。
私は派手なグループには属していなくて、いつも穂果と2人でいたんだけど…。
その派手なグループの中心にいたのが、寺田理沙。
私はあの日からボスゴリラって呼んでる。
もちろん本人には言わないけど。
可愛くもないくせに、気が強くてなぜか発言力があって、自分大好きな女子。
なぜかみんな、そういう人に逆らえないんだよね、なんでなんだろう。
……逆らえないっていうか、みんなも私のこと嫌いだったっていうのが真実かもしれないけど。