1周まわって、好きかもしれない。
「ちょっと隣行ってくる!」
お母さんにそれだけ伝えて、部屋着姿のまま隣の家へ。
「お邪魔しまーす」
「あら凛子ちゃん、上がって上がって」
にこにこ可愛いお母さんに迎えられて、顔だけイケメンの恭介の部屋へ。
バンッと勢いよくドアを開けると、ベッドの上でゲームをやっていた恭介がびくっと飛び起きた。
「っ、今日は来ないと思ったのに……!」
くそ、油断した。
なんて嫌そうな顔をする恭介。
無言のまま恭介のベッドにどかっと座ると、恭介は納得いかないような顔でベッドから降りる。
嫌がりつつもちゃんと私に譲ってくれる。
「……今日のデートもダメだったわけ?」
うんざりしている恭介は、手元のゲーム機から目を離さない。
……ふん、まあ別にいいけど。