1周まわって、好きかもしれない。
「……」
「……」
沈黙。
「なに、早く愚痴れば?」
またゲーム機に目を落とした恭介が、なんか優しい。
なんか、なんかさぁ。
どうしちゃったの?
頭でも打った?それとも高熱?
……って、そっか。
恭介も寺田理沙と何があったか知ってるもんね。
だからちょっとは心配してくれてるんでしょ。
恭介なりの優しさなんでしょ。
彼女いたことないから、分かりにくいんだよアンタの優しさは。
「……やっぱいいや、何か面白い話しして」
「は!?
何その無茶振り、愚痴聞く方がましだわ」
なんか恭介のせいでイライラなくなったし。
恭介に彼女がいない50の理由について教えてあげたら、恭介はいつもよりげんなりとした顔をした。