1周まわって、好きかもしれない。
ピンチかと思ったけど、まあ……凛子なら何とかなるだろ。
俺が下手に止めに行っても、絶対俺の方が弱いし……。
「家まで送ってきてやったんだから、上がらせてよ」
開き直った様子の篠崎は、無理やり凛子の腕を引っ張る。
「……あーもう」
これだから面倒臭い。
ゲーム機を手放して、走って玄関を出た。
「凛子」
「え、恭介…」
驚いた顔の凛子の目には涙が溜まっていて、「ああ、そうだ。これでも女の子なんだ」なんて気づかされる。