1周まわって、好きかもしれない。




ピンチかと思ったけど、まあ……凛子なら何とかなるだろ。


俺が下手に止めに行っても、絶対俺の方が弱いし……。





「家まで送ってきてやったんだから、上がらせてよ」




開き直った様子の篠崎は、無理やり凛子の腕を引っ張る。



「……あーもう」




これだから面倒臭い。

ゲーム機を手放して、走って玄関を出た。




「凛子」



「え、恭介…」



驚いた顔の凛子の目には涙が溜まっていて、「ああ、そうだ。これでも女の子なんだ」なんて気づかされる。





< 49 / 293 >

この作品をシェア

pagetop