1周まわって、好きかもしれない。
「え、瀬見くんじゃん。
何でここにいんの?」
驚いているのは、篠崎も同じ。
驚いた拍子に緩んだ篠崎の手に、凛子を引き寄せて背中に隠す。
「隣に住んでんだよ。
…近所迷惑だからやめてくれる?」
「そういえば幼なじみなんだっけ?
俺は凛子ちゃんと付き合ってんだよ、そこで友達が出てくるのは違うんじゃねえの?」
それとも友達以上になりたいわけ?なんて意味の分からないことを言って、挑発しようとする篠崎。
だから、凛子と付き合うくらいなら孤独死した方がマシだっていつも言ってるよね。
お前には言ったことないけどさ。
「別れる」
と、背中から聞こえたハッキリした声。
「は?」
「別れよ、ザッキー」
突然の宣告に言葉を失う篠崎。
当たり前だろ、馬鹿。