1周まわって、好きかもしれない。
「あれ、昨日俺の隣の家で盛大に振られてたザッキーじゃん」
ガラッと開いた、私の目の前のドア。
驚いて見上げれば、顔だけイケメンの私の幼なじみ。
「なっ、瀬見……」
顔が引きつったザッキーに、涼しい顔して続ける恭介。
「凛子にキス拒否されて、逆ギレした挙句に振られたって、うちの近所で噂になってるよ」
くくっ、と笑う恭介に、ザワッとうるさくなる教室。
「マジかよ、ザッキー」
「それは最低……」
「しかもさっき自分が振ったとか言ってなかった?あれ嘘なの?」
かっこ悪、なんて声に、かぁっと顔を真っ赤にしたザッキーが、座っていた机から降りる。
「う、嘘言ってんじゃねえよ!
泣きつく凛子を俺が振ってやったんだよ」