1周まわって、好きかもしれない。
「やっほー!凛子、恭介くん」
靴下を脱いで、プールに降りようとした時。
呼ばれた声に振り返れば、舜と穂果ちゃん。
「手伝いに来てあげたよ」
なんて笑う穂果ちゃんは、天使なのかもしれない。
俺の隣で「穂果〜!」なんてひらひらと手を振ってる悪魔は、少しでも見習ったほうがいいと思う。
穂果ちゃんはジャージ着てるし。
偉い。
何度も言うけど凛子とは大違いだ。
2人が来てくれたことでやる気を出した凛子もジャージに着替えて、4人で汚れたプールに足を踏み入れる。
水は抜いてあるものの、コケで緑になったプールは想像以上に汚い。
「やっぱ無理…」
心底嫌そうに顔をしかめる、プール掃除の原因でもある凛子。
お前は誰よりもがんばれよ。