1周まわって、好きかもしれない。
「ゆりちゃんの可愛い声が聞こえなかったじゃねーか!」
「…気持ち悪」
心の底から蔑んだような視線を浴びせられ、ぐっと言葉に詰まる。
……いいから帰ってくれ。
「恭介さぁ、好きな人とかいないの?
あ、三次元で」
ゆりちゃん、と答えようとしたのを、付け加えられた「三次元で」という言葉で飲み込む。
「彼女は?
……いるわけないか」
本当、何なんだこの悪魔は。
嘲笑うような表情に、イライラしながらゲーム機の音量を上げる。