1周まわって、好きかもしれない。
「「おばさん、焼きそばちょうだーい」」
近所の定食屋。
昼でも夜でもない、半端な時間だからお客さんはいない。
「あら、凛子ちゃん、恭介くん」
嬉しそうに笑うおばさんに、俺たちも笑いかえす。
「いいわよ、座ってなさい」
わーい、と軽い足取りで椅子に座り、ニコニコしている凛子。
…本当、機嫌がいいときは可愛いのに。
「…ん?なに、見惚れてるの?」
にやり、と笑う凛子に、図星を指されて否定できずに口ごもる。
「…本当に?」
「…引いてんじゃねえよ」