私立神無月学園―抗え自由を獲(え)るために―
第一章
始まりのヨスガ
カッカッカッと女教師が黒板に文字を書く音がこだまする白い教室。
教室内は、外の異様なほどの暑さに反比例してクーラーがほどよく効いて涼しかった。
「このように無規律戦闘自由空間(ハイルドフィールド)内では、自分の属性に合った魔力(ティア)を使うと、属性外の魔力(ティア)よりも約三倍の力を発揮します。次に、相性です」
黒板にはそれぞれ
『水』↔『炎』。『地』↔『風』。『樹』↔『氷』。『無』↔『神』。
と言った具合に相性の悪いもの同士が対局になって八角形が描かれていた。
「例えば、水の属性と相性が悪いのがこの炎ですね」