命の授業。
義父が来てもなお沈黙が続いた。
話出したのは祖父だった。

『理由が聞きたい』

それはいつもの祖父の声とは違い
静かにか細い声だった。
すこし震えている様に感じた。

義父は顔を上げることが出来ない様で小さな小さな声で

『すいません。』

とだけ呟いた。
その言葉を聞いた母が怒り義父を責め出した。

『すいませんとか聞いてないでしょ!理由って言ってるじゃん!』

母は涙ぐみ叫ぶ。
母の声だけが虚しくリビングに響いた。

『お前はいいから。義父くんどういうことかきちんと説明して欲しい。』

祖父が母をたしなめ静かに義父に話しかける。義父は腹を決め話はじめた。
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