不安定な俺の彼女
誰もいない、この場所が俺は気に入っている。
誰もいないから、誰からも干渉されないから、他人の声を聞かなくてもいいから。
だから、この場所が好きだ。
だから、なのに。
人が居た。
茶色の髪。
風に吹かれて、髪がなびく。
そこから見え隠れする、右耳。
耳には、たくさんのピアス。
長い足に、タバコを持っている細い指。
それと、雨音。
彼女をきれいだと思ってしまった。
はじめてだった、こんな不安定ででも、甘い感情。
俺は、後ろから彼女に自分の持っていた傘をさした。
何故か、濡れるのがもったいなくて。
自分のせいじゃないのに、なんとなく、申し訳なくて。
俺が傘をさしたのに気づいた彼女はとても驚いた顔をして俺の方を見た。
でも、驚いた顔は一瞬で。
一言だけ。
君が濡れるよ?
ただそれだけ言って、また逆を向いて、煙草を吸い始めた。
煙の匂い。
彼女の匂い。
雨の匂い。
呼吸が上がった。
体温が、上がった。
一気に上昇した。
少し寒気を感じていたのに。
そのとき、俺は自分はとても単純な人間だったんだなとおもいしった。
誰もいないから、誰からも干渉されないから、他人の声を聞かなくてもいいから。
だから、この場所が好きだ。
だから、なのに。
人が居た。
茶色の髪。
風に吹かれて、髪がなびく。
そこから見え隠れする、右耳。
耳には、たくさんのピアス。
長い足に、タバコを持っている細い指。
それと、雨音。
彼女をきれいだと思ってしまった。
はじめてだった、こんな不安定ででも、甘い感情。
俺は、後ろから彼女に自分の持っていた傘をさした。
何故か、濡れるのがもったいなくて。
自分のせいじゃないのに、なんとなく、申し訳なくて。
俺が傘をさしたのに気づいた彼女はとても驚いた顔をして俺の方を見た。
でも、驚いた顔は一瞬で。
一言だけ。
君が濡れるよ?
ただそれだけ言って、また逆を向いて、煙草を吸い始めた。
煙の匂い。
彼女の匂い。
雨の匂い。
呼吸が上がった。
体温が、上がった。
一気に上昇した。
少し寒気を感じていたのに。
そのとき、俺は自分はとても単純な人間だったんだなとおもいしった。