幾年時紀
だけど僕には、それを聞く権利がある。
ここに迷い込んだ理由。
心がどんな人なのか。
場合によっては大変な話だろう。男女が山に遭難なんて聞いたら大半の人が驚くだろう。
というより、心は何歳なんだ。
『幸希……信じ難いかもしれないけれど、私はあなたと同い年。見た目は……だけどね。』
『見た目……?』
『そう。
幸希、この【忘れられた土地】と言うのはね、数百年も前から姿を変えず、時というものをもっていないの。
本来ならきっと私は、ここにいるはずがないの。とっくに、寿命がきて、死んでいるはずなのよ』
僕には、理解ができなかった。
本当に、意味が分からなかった。
死んでいるはず?
現に息をして、ここにいるじゃないか。
目の前にいる彼女は、長い髪の毛をたなびかせては、目をうるませている。その表情だけで生きていると俺に知らせている。
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