幾年時紀
いや、山登り時点で突っ込みたいとこが沢山あるのはわかる。
だがしかし、話は終わらない。
遭難しました☆
はい。
そもそも、何しにきたかと思えば、山菜を取りに来たのだ。
……
『じじぃか僕はぁああああっ!!!!
だいたい何でこんな遠くまできて山菜をとってるんだよ!?
野菜なんか大嫌いだろうが!
僕……どうしちゃったんだろ』
叫んでいても、当然答えがまとまるわけでもなく、救助されるわけではない。
あぁ、この山菜でも食って生きながらえるか……。
どうしろっていうんだよ。
刹那、強い、強い風が吹いた。
僕の不安や不満をもかき消すくらい大きな強い風が。
目の前から来る強い風に思わず目を閉じた。
再び目を開けた時にはそこはもう、僕の知っている世界ではなかった。
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