東京女子、アイドルなう。
「ここのパンケーキすっごく美味しかったぁ♪」

「そうだね!ねぇ、次は何処に行く?」

私達はカフェでおやつを食べ終えて、次の行き先を決めている所だった。

すると、サングラスをかけた男が私達に寄ってきた。

「君達可愛いね!!ねぇ君達、歌とか興味あったらさ…アイドル、やってみない?」

何この人…いかにも怪しいんですけど。

というか私男性苦手だからちょっと近づかないでほしいんですけど…

湧人の件とか、過去にストーカーされたりとかで男子に興味がなくなり、男性には恐怖心を抱いていたのだ。

私は少し後ずさりした。

心はというと…

「ア、アイドルですか!?う、歌は好きです!けど…そんなに上手くないし…私、人前で話すの苦手で…」

……この子、めっちゃやりたそうなんですけど。

心、口では否定してるけど目が輝いてるよ…。

「あの、具体的にアイドルって、どんなことをやるんですか…?」

心があまりにもやりたいオーラを出しているので、質問してみた…が、間違いだった。

「おお!君も興味あるの?!えーっとね、仕事は、普通に歌って踊ったりだとか…バラエティーへの出演、あとは…まぁ色々あるんだけど、仕事を選ぶのは君達だからね。」

…質問しなきゃよかった。こんなんじゃ、私がアイドルに興味あるみたいじゃん…まぁ、興味ない訳じゃないけど。

「あ、葵ちゃんがやるなら、私もやってみようかな?」

心…私は興味あるわけじゃないからね?!何か誤解してると思うよ!

…心が一緒にやりたいっていうなら、考えてもいいけど…。心といる時間増えるし。

「君達いいねー。あ、お名前聞いていいかな?」

「夢原葵です。この子は染沢心。」

「おおー!名前も可愛いんだね。僕は伊藤次元。よろしく。名前的に二次元好きだと思われるけど、別に違うからね。あと本名だから。」

一瞬頭の中で思った疑問は聞かなくても解けたから良かった。

「伊藤さんですね。まぁ…親に相談してから決めたいんで、連絡先もらえますか?」

「あーうん。いつまでに連絡できるかな?」

1週間東京にいるけど…あ、夜なら帰った後すぐでもいいかな。

「夜でも大丈夫なら、1週間以内に連絡できます。」

「私もそれ位ですねー。」

と言うと、

「うん、夜でも大丈夫だよ!それじゃあ連絡待ってるねー!」

そういって、連絡先を渡すと、男は去っていった。
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