あなたが私にキスをした。
外は白銀の絨毯。
森の木々も家々も、すべて同じ色に染まる。
空には少し欠けたお月様。
その光を浴びて、粉雪のダイヤモンドが「私を見てよ」と闇夜に光る。
アトリエの隣には、小さな古びた家があった。
あなたはその中へ私を導いた。
電気をつけると、眩しい光が質素な室内を照らし出す。
シュッとマッチを擦る音がして、赤い炎が棒の先で小さく燃える。
それを暖炉に組まれた薪に落とすと、静かに炎が燃え広がっていくのが見えた。
「ちょっとそこで温まっていて」
あなたはそう言うと台所へ向かった。
私は言われたとおり青白い手のひらを炎の近くに伸ばした。
じんわりと暖かさが伝わってくる。
ふと
視線を感じる気がして顔を上げると、台所から心配そうにこちらを見つめるあなたと目があった。