あなたが私にキスをした。

外は今日も雪景色。

俺とトーコちゃんは、バスに乗って出かけることにした。



「わぁ、大きい車」

「もしかしてトーコちゃん、バスに乗るのはじめて?」

「はいっ」



・・・うそだろ。




隣の席で目をきらきらさせる彼女を見て、思わず笑みがこぼれた。

時々会話していると、やけに世間離れしているように感じることがあったけど、まさかこの子、どこかの財閥のお嬢様とかなんじゃないだろうか。



向かった先は、街中のデパートだった。



「なにを買うんですか?」



とたずねる彼女を「いいから、いいから」と言って強引に店内に招き入れた。



「はい、じゃあまずこれ着て」

「え?でも」

「着てみないとどんな感じかわかんないでしょ」



女性服のショップで、まずは花柄のスカートをトーコちゃんに着てもらう。

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