あなたが私にキスをした。
「・・・あ」
あなたは照れくさそうに頭の後ろをかきながら
「・・・温めたら、溶けちゃうんじゃないかと思って」
そう言った。
私は自分の両手をまじまじと見た。
大丈夫、ほんのりピンク色になっただけでとくに問題はなさそうだ。
大丈夫です、
と言いたくて私はあなたに両手を向けた。
するとあなたは安心したように笑って、また台所へ姿を消した。
パチパチと耳に心地よい音とともに、温かな空気がじわじわと広がる。
ゆらゆら揺れる美しい炎を見ていると、なんだか体がふわふわとしてまぶたが重くなった。