あなたが私にキスをした。
僕の下で彼女は、怯えるでもなく逃げるでもない。
ただその澄んだ瞳で、まっすぐに僕を見つめている。
こみ上げてくる愛おしさに理性などかなうはずもなく、僕は本能のままに彼女の唇に何度も何度もキスを落とした。
それまで押さえ込んできた寂しさがせきを切ったように溢れ出し、僕は半ば半狂乱で彼女を抱きしめていた。
生まれたての赤子のような白く透き通る汚れのない肌は、とても柔らかく僕を包んでくれる。
お願いレイカ。
もう僕を離さないで、
もう僕を置いていかないで――。
「好きだ…」
言葉に出さずにはいられない思い。
「あいしてる、愛してるんだ…」
こみ上げてくる思いに体中を乗っ取られたように、意識まで感情にあずけて僕はひたすらに彼女を愛おしむ。
吹き出す汗と少しの涙。
苦しそうに、だけど愛おしそうに僕を見つめる彼女の瞳。
「レイ…」
言いかけてやめようとした僕に、彼女は静かに頷いた。
――いいの、その名前を呼んで。
まるでそう言っているかのように。