あなたが私にキスをした。
だから、イオリの「トーコという女を傷つけてもかまわない」という言葉を、私はどうしても無視することができなかったんだ。
それに。
トキワのことを信じていた。
たとえ図面を盗んだって、きっとイオリはトキワには敵わない。
トキワなら、かならず優勝する作品をうみだすことができるはずだと。
ねえ、だからトキワ。
最後まであきらめないで。
私は、あなたを信じている。
あなたの才能を、そして思いの強さを――。