いってらっしゃい〜ココにいるから〜
「華美は勉強しなくていいの?」
「えー?あたしー?」
恭弥はシャーペンを動かす手を止めた。
「あたしは、ほら。言ったじゃん?四年大、推薦で余裕だから。面接だけだし。」
「余裕って言葉好きだなぁ〜。どこにそんな根拠あんの。」
「根拠ぉ〜〜?だ、か、ら、推薦だから!」
「面接で落ちるかもしれないのに。」
「あ〜〜不謹慎!」
ごめんと笑った恭弥はまたやっぱりどこか寂しそうだった。
「……なぁ。華美ー。」
「はーい?」
「キスしていい?」
「いーよー。はい。」
唇を尖らせる。
「全く、はじめの初々しさの欠片もねぇのなー。」
文句を言いながらも、恭弥は私の唇を奪った。
「キスも、余裕っすか。」
「何言ってんのよ、いつでもできるしね。」
「……ん。」
また恭弥は机に向かってシャーペンを動かしはじめた。
だけど、だけどさ、すこーしくらい
あたしにかまってくれても良くない?
まぁ、頑張ってるの邪魔したくないし、我慢するか。
いつでも会えるし。
いつでもしたいことできるし。