オレ様男子に愛されて。(下)
ケンカの行方は?
「もう、嫉妬なんかしてないから!」
「俺が他の女子とベタベタしたから、怒ってんだろ?
それのどこが嫉妬じゃないわけ?笑」
また笑とか付けやがってー!
違う!
絶対に違う!
誓って違う!
大体、私が神崎のことを好きなのかもよく分かんなくなってきたし!
私は、お前が!
大嫌いだあああぁぁぁぁー!
「なに堂々と言ってくれてんの?」
「へ?」
「いや、お前さっき堂々と俺が大嫌いとかなんとか言ったろ?!」
「は?言ってないよ?」
だってあれは心の声......
ってまさか?
「声に出ちゃってましたか?」
「出ちゃってたな、あれは。」
ぉおう、やっちゃったね私!
「えーと、あれはちょっと口が滑っちゃった的な?やつなのです。」
「嘘くせーなおい。」
とか言っていると.....
「お化け屋敷とかこわぁーい!」
「ほんとそれだよねっ!」
あー、次の人来たな.....
ナイスタイミングだっ!
感謝、感激っす私!
「あのー、次の人来たから。」
「うん、だから?」
いや帰れよぉー!
普通に、じゃあ、帰るわってなれよー!
「これは、1回帰っていただいた方がいいような気がするのですが?」
「あー、分かったよ。
でも、お前今逃げようとしてるだろ?」
「いやぁ、それは無いかな?
てへっ!」
く、苦しい!
てへっ!、とか苦しいっ!
「ま、じゃあこれ借りるわ。」
と言って、神崎は私が腕につけていたゴムを取る。
そ、それはっ!
ただの髪をくくるゴムではない。
それは.....
ゆうとお揃いで買ったとてもとてーも大切なゴムなのであーる。
「そ、それだけはやめて!
そのゴムを今ちぎる気なのか?!」
「は?なわけないじゃん。
これは、も、の、じ、ち。」
MONOZITI?
とは?
ものじち.....
物質!
そうか!
人質ならぬ、物質なのかっ!
「絶対におばけ役終わったら、俺のとこ来い。」
「は?」
なんて自分勝手な笑
「普通に嫌なんですけ「来なかったら、このゴムちぎるわ。」
のおおおぉぉぉぉー?!
そ、それだけは.....
「やめてください。」
「分かったら来い。
じゃ、待ってるからな笑」
「.....はい。」
神崎は最後まで余裕をぶっかました上、笑顔で私の前から消えて行った。
もう、ただただ悔しい。