オレ様男子に愛されて。(下)
突然。
「俺、由奈のこと好きだぞ。」
「え、あ、うん。」
「だから、お前も俺を好きになれ。」
いや、それはむちゃくちゃだ。
「そんなの、分かんないじゃん。」
『俺が、お前をもっとドキドキさせてやるよ。』
耳元で囁かれた甘い声に、心臓がどくんと音を立てる。
「わ、わわ分かったから!」
「ふっ。」
「な、なに?!」
「勝ったな。」
だからあんたはなんも勝ってないだろ!
「律ー!仕事しろー!」
「あ、俺呼ばれてる。」
仕事やってなかったんかよ!
「じゃーな。」
そう言うと、神崎は走って行ってしまった。