オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?



智也の提案で俺達はこの格好のまま中学校に行ってみる事にした。



通りのお店に映る俺達の姿は完璧に中学生。



ホントいつの間にこんなに身長差も出来てたんだろう?



俺の頭は和樹の肩までしかない。



中学校はまだ授業中らしくこっそり校門に集まった。



パチリ。パチリ。



ここでもいっぱい写真を撮る。



校門や、近くの公園や、いつもの通学路や……思いつくまま全て。



あと2ヶ月もしないうちに3人はこの中にいるんだよな?なんか……俺だけ取り残されたような気がした。



カメラを見ながら何度だって抱き合った。



でも全然足りないんだ。



残された時間はあと少し。



青い空を見上げると飛行機が細長い雲を作って優雅に去っていった。



「姫奈……あれに乗るのかな??」



和樹のつぶやきには誰も答えずに、黙って見送った。



遠く遠く大空の遥か彼方へ……あっという間に見えなくなる機体。



その向こうにあるものは何なんだろう??



和樹がいなくなったら俺は姫奈でいる意味を失くす。



もうオンナの顔なんていらないんだ。



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