オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?



「和樹っ!大丈夫??」



見ると左目が真っ赤に腫れ上がり出血もしている。



「姫奈はドジだなぁ。そんな走り方じゃ転ぶって」



「ちょっと!姫の事はいいから!!!」



俺の運動神経の話は今マジでどうでもいい!!



んしょ、んしょと重たい和樹の体を頑張って引きずり、急いで保健室に和樹を運ぶ。



そんな二人の姿を見た瞬間、保険の先生は固まった。



「和樹君どうしたの??」



「大城さん、教えてくれる??」



和樹がスリッパを投げられた事。



それがちょうど目に当たってしまった事。



手短に話すと先生は慌てて保健室を出て行った。



ピーポーピーポー……。



程なくして救急車が到着し、和樹は運ばれていった。



「姫奈?ありがとな」



久しぶりの和樹との会話。



こんな状況だけど……すっげぇ嬉しい。



オンナだから出来る事もあるのかもしれない……な。



もう少し……オンナで頑張ってみっか。



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