オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
「おねーちゃん♪これホントに学校???」
「すごいね~お昼が楽しみだね♪」
何がたいした設備じゃない、だよ。
焼きたてパンに淹れたてコーヒーがセットで学食価格!!日本円にしたら350円ぐらいでランチがしっかり食えるってんだからそりゃ楽しみに決まってる!!
まぁあんまり食い過ぎて太ったりしたら和樹に幻滅されるだろうからマジで気をつけないと。小さい体ってのは少しの食料で動くらしい。
でも俺には普通のオトコ並みの食欲が備わっているわけで……ちょっと気を抜くと腹がぽよるこの頃。
「じゃあ入学式で会いましょう!」
校長に見送られた俺達は学校を後にして近くのレストランに来ている。
「今日は近くのスーパーとか案内するわ」
「その前に……行きたいトコがあるんだけど」
俺にはどうしても案内して貰わなきゃ行けない場所があるんだ。
「文房具屋さんと郵便局」
あぁ、とマリーさんが呟いてにっこり笑う。
「彼氏に手紙ね♪ちょっと歩くけどもちろんあるわ」
今日あった事を手紙に書こう。
そしたらきっとあの汚い字で返事が来るはずだ。
文房具屋で悩んだ挙句、淡いピンクの封筒にキレイな花の模様が入ったレターセットを購入。
ホントは隣の棚にあったシンプルな黒のセットのが好きなんだけど、姫奈に合わせる俺。
最近、こういう違和感が増えてきた気がするんだ。自分が本当に欲しいものを買えない。本当に着たい服が着れない。本当にしゃべりたい言葉遣いで話せない。
窮屈で、無性にイライラしてしまう。
反抗期なのか?
いや、俺はオンナなんだからきっともう少し大人になれば、自然にオンナらしくなるはずだよな?