オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
俺達にクラス分けは無い。1学年20人前後だから当然なんだけど。
担任は「小田次郎」
メガネの冴えないオトコにしか見えないが、まぁ優しそうだ。
「今年から一緒に学ぶ大城姫奈さんです。仲良くして下さいね」
そう言われてぺこり、と頭を下げた。
おぉ~と男子のどよめきが聞こえる。可愛い転校生を喜ぶ嬌声……でも残念だったな?こいつは中身オトコな上に彼氏持ちだぜ?
とことこ、と席に向かうと
「うちはあずみって言うねん。よろしくな♪」
隣の席になった女の子に話しかけられた。はっきり言って珍しい。顔が災いするのか昔から女からは嫌われることが多かった俺だし。
「アズって呼んでな~」
なにやら関西弁なこの子が俺は結構気に入った。黒髪のショートカットが似合う。線が細くて背は高め。きりっとした瞳が印象的で姫奈とは真逆なタイプ。
「アタシも姫奈でいいよ♪よろしく」
なんていつもの調子で会話をしてた俺はこの時まだアズの洞察力をナメてた訳であり……。