オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
ともあれ、とりあえず友達一号が出来てほっとする。はっきり言って右も左もわかんねーからな。
「うちはな~今年で2年目なんよ。転勤で来る子ばっかりやから一年経つと結構入れ替わったりやで?だからめっちゃ寂しいねん」
うちはまだ当分帰れそうにないしな、と呟くアズ。
そんな事言われたら俺が帰る気満々だって言い辛い。今はまだ伏せとくか。ま、本当に未定だし。
「やっぱり慣れない土地だし帰りたくなるよね?」
「何?姫奈ホームシックなん??」
「……というかなんというか」
「オトコやろ?」
「何?大城彼氏いんの?残念~」
気が付いたら周りにオトコが群がってるし。バカだな?お前ら。
いや、でもオトコだったら普通の事なのか?普通の女子はこんな事考えてない訳だし。
今日は特にする事もなく学校は終了した。
オトコ達もみんな根は悪い奴じゃなさそうだ。
「じゃっ姫奈、また明日な~。時間ある時に彼氏君の話も聞かせてや?」
「わかったよ~じゃあ明日ね、アズ」
そっか、なるほど。
アズの強引さは香織に通ずるものがあるんだな。だから居心地が良かったんだ。
ま、間違いなくアズの方が頭良さそうだけど。