オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?
一人になった部屋でぼーっとポスターを見つめる。
そうだっ!!
ガサガサガサガサ。
未だダンボール箱に入っているたくさんの雑誌。
「怖いじゃん。なんでこんなの買うのー?」
夢奈さんに泣かれても唯一「俺」を通した音楽雑誌。大好きなV系アーティストが並ぶその本をぱらばらめくり「Ruvie」のページを探す。
必死に唄う姿は綺麗で、カッコよくて、胸がドキドキした。
このドキドキは興奮じゃない。きっと「恋」の方だ。
他のページも見る。
ちゃんと好みのオトコを見つけられる。
夢奈さんが勝手に買ってくるファッション誌じゃムリなんだ。
モデルの細さはすげーとか、服は姫奈に似合うんだろうなとか…思うけど、それだけ。
ドキドキなんてありえない。
オトコにしか恋愛感情を持てない俺。
これは事実だ。